2011年08月12日
真夜中に待ち侘びる子供

もうお盆の時期ですね。市内でも、いろいろな所で夏祭りが行われていて、とても賑やかです。
お盆は、亡くなった方が帰ってくると昔から伝えられています。
今日は、以前釣りに行った時に体験した、奇妙な出来ごとをお話ししたいと思います。
ちょうど1年前。8月12日の夜、いつものようにナマズを釣りに出かけたときの出来事です。
釣りに出かけるのが遅かったのもあって、夜中の12時くらいまで河川敷をメインにランガンを続けていた。ここは、初めての場所で、反応が薄く、いつもより少し粘っていました。
誰もいない河川敷を歩いていると、
お母さん…
お父さん…
と子供の声…。
こんな夜中に、しかも街灯もない河川敷に子供の声が聞こえる。
近くのようだが、姿は見えず…。
シ-ンと静まりかえった中に時折聞こえる虫の声…。
気のせいだと思い、再び釣りをしていると…。
また、
お母さん…
お父さん…
………
辺りを探しても誰もいない。それもそうだろう。
こんな真夜中に子供だけいることは考えにくい。
平坦な河川敷。人が身を隠す場所もない。辺りを見回しても誰もいる筈もない。この日は、怖くなって、すぐさま引き上げることにした。
釣り道具片づけて、足早に家に向かって歩いていると、また子供の声。
お母さん!
お父さん!
間違いない、子供だ!
男の子!
今度は、はっきり聞こえる。やっぱりいる!
息を切らしながら、おもいっきり走って帰った。
家について、その話しをすると、「そんな夜中にいくけんたい!」
まずい! 怖い思いをした出来事より、夜中まで釣り歩いている事を家内は、怒りはじめた。
げっ~そっちかい!
私が話している事に、共感して欲しかったのだが…。(笑)
そして、翌日のお昼時。

まだ明るい時間に、昨日の河川敷まで降りてみると、やっぱり何もない。平坦な河川敷がずっと続いているだけの景色。
やっぱり気のせいだったのかな…。
顔を上げると、土手の方に一台の車が入ってきた。
釣りに来たのかなと思いきや、50代くらいのご夫婦と、娘さんが車から降りてきた。
トボトボと、何やら手に持ってこちらの方へ進んでくる。
そして…。昨日、釣りをしていたあの場所に。
しゃがんで花束とお線香を置き、手を合わせている…。
恐る恐る近寄って尋ねてみると、驚きの内容が!

あの~どなたかの供養で来られたんですか?…
以前、小学生の息子が、水遊びにきて、この場所で溺れて亡くなったんです。それで今日は、その供養に…
えっ! 言葉を失った。
やっぱり、あの声、本当だったんだ!
もう、それ以上は、交わす言葉がみつからなかった…。
きっと、お盆にご家族が来るのを楽しみにして、ずっとここで待ち侘びていたのかもしれない。
早く成仏して下さいと念じながら、黙祷を捧げた。
お盆。それは、亡き人へ思いを伝える大切な日なのかもしれません。
